プレコンセプションケア

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プレコンセプションケア

プレコンセプションケアとは

プレ(Pre)は「~の前の」、コンセプション(Conception)は「妊娠・受胎」という意味で
「妊娠前のケア」という概念です。


将来の妊娠を考えながら、自身の健康状態や生活習慣を見直し、改善していくことで妊娠・出産を健康に迎え、さらに出産後も健やかに過ごせるようにすることを目的とします。

これにより、育児期以降の女性の健康の維持にも繋がると考えます。また、女性だけでなくパートナー(ご主人)も含めて取り組むことがより重要です。

文部科学省が出した「男女共同参画の重点方針2021」によると、20代の64.2%、30代の51.8%が月経痛を抱え、月経痛で婦人科を受診した30歳以上の女性のうち半数以上が子宮内膜症や子宮筋腫などを原因とする月経困難症と診断されています。

子宮内膜症や子宮筋腫等は卵巣がんや不妊につながるリスクがあるため、早期に発見・治療し重症化を予防していく必要がありますが、働く女性の半数以上は月経異常を感じても婦人科等を受診せず、中高生女子に至ってはほとんどが月経異常やPMSを感じても婦人科を受診していません。
これは、正しい生殖知識の不足と、適切な検査が広く行われていないことが原因となっていると考えられます。


プレコンセプションケアでは、このような現状を改善するため、ライフステージや生活環境に沿った支援を社会全体で行い、女性やカップルがより健康な生活を送れるようになることを目的としています。


なぜプレコンセプションケアが必要なの?

日本では、医療の発展によって妊婦死亡率や周産期死亡率(妊娠満22週以後の死産と生後1週間以内の死亡を合わせた死亡率)は低い水準にあります。 しかし、女性の社会進出による晩婚化によって妊娠を考える年齢が上がっているため、不妊治療を受ける方や母児にとってリスクの高い高齢での出産が増える、といった状況になっています。


安全な妊娠・出産を妨げるリスク因子としては、年齢、子宮卵巣の疾患、感染症、やせや肥満、喫煙、持病などがあり、これらによって不妊症だけでなく流産や早産、低出生体重児の出産などの発生頻度が通常よりも高くなります。 自覚症状がないリスク因子もあり、一般的な健康診断やがん検診には含まれていない検査項目も多いため、将来の妊娠や出産を意識した検査として十分とは言えません。


既婚・未婚やパートナーの有無にかかわらず、妊活を始める前の早いうちから自身の健康状態や妊娠・出産に関わるリスク因子を把握して、早めにケアを始めることが大切です。


不妊治療をして初めて自分の卵巣機能や精子の状態を知る方はたくさんいます。それまで知る必要がなかったので当然です。しかし、もしもっと早い段階で知っていたら・・?


女性であればピルの服用・卵子凍結、男性であれば生活習慣の見直しでよりよい身体の状態で不妊治療をはじめられたかもしれませんし、もしかすると不妊治療をしなくてもいい状態だったかもしれません。


どんなひとにおすすめ?

結婚やパートナーの有無にかかわらず、将来子供を持つ選択肢を考えている年代の女性におすすめです。

将来のためだけでなく、今の自分の不調のケアにもつながるので、「将来子供を持ちたいか」を迷っている方でも、プレコンセプションケアを始める価値はあります。

ただし、既にパートナーがいて、不妊の傾向がある(1年以上避妊せず性交を行っているにもかかわらず、妊娠の成立を見ない)方については、婦人科外来の受診や不妊クリニックへの相談をおすすめします。


プレコンセプションケアとして妊娠前からできる3つのこと

1.検査を受ける

一般的な健康診断でわかる血糖値・血圧も、妊娠・出産時の疾患リスクにつながるため、きちんと確認しておくことが必要です。 また、経腟超音波(エコー)検査や子宮頸がん検診などの子宮・卵巣の検査や、感染症の検査で、不妊や不育のリスクがないかを調べておくことはとても重要です。 また歯周病も切迫早産のリスクにつながるため、歯科検診を受けておくとよいでしょう。


2.生活と心身を整える

バランスの良い食事、運動、体重をコントロールすることも大切です。やせすぎも太りすぎも妊娠・出産に影響を与えます。 また、栄養の中でも重要な「葉酸」は不足しがちなので、サプリメントなどで補充することもおすすめです。 また、煙草を吸わない、過度な飲酒を控える、ストレスを減らすことも大切です。


3.ライフプランを考える

妊孕性(=妊娠する力)は年齢とともに、どうしても下がっていきます。 こういった知識を得て、自身のキャリアやこれからのライフプランを一度考えてみておくことも大切です。



プレコンドック

プレコンドックは、ライフプランの選択肢として妊娠・出産を考える方向けに、妊娠の仕組みの妨げになるような疾患や子供への影響が懸念される抗体検査を含んでいます。

パートナーの有無に関わらず、ご自分の身体を調べることでキャリアプランやライフプランを考えるきっかけとしてご受診していただきたい健診です。

Aプラン 卵巣予備能チェック 6,600円

採血:AMH(卵巣予備能)

Bプラン ベーシック(ブライダルチェック) 30,440円

超音波検査
採血:風疹抗体、クラミジア抗体、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV
内診:淋菌、トリコモナス

Cプラン A+B+妊娠準備(月経5日目までに来院) 6600円+30440円+23690円

採血:血液型、HbA1c(血糖)、LH・FSH・E2・プロラクチン(女性ホルモン)・TSH・FT4(甲状腺)
ビタミンD

オプション

麻疹抗体検査 6,800円
水痘、帯状ヘルペス検査 6,800円
CA125(子宮内膜症等マーカー) 2,310円
抗精子抗体(精子の動きを止めてしまう物質の有無) 7,700円
トキソプラズマ検査 3,090円
貧血検査(WBC、RBC、Hb、Ht、PLT) 350円
肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP) 740円
腎機能検査(BUN、Cr) 1,360円
脂質代謝検査(T-cho、LDL、HDL、TG) 1,050円
HPV検査(ヒトパピローマ感染の有無) 6,470円
通水検査(卵管通過性) 1,750円+薬剤代
子宮卵管造影検査(卵管通過性、子宮の形や内腔の癒着の有無) 19,600円+薬剤代
子宮頸がん検査(子宮頚部のがん細胞の有無) 3,140円
子宮体癌検査(子宮体部のがん細胞の有無) 8,580円
免疫学的判断料 1,580円
生化Ⅰ学的判断料 1,580円
生化Ⅱ学的判断料 1,580円
血液学的判断料 1,380円
病理学的判断料 1,500円
微生物学的判断料 1,500円

男性用

精液検査 5,500円
風疹抗体検査 3,400円
クラミジア抗体 6,600円
梅毒 1,500円
B型肝炎 1,450円
C型肝炎 2,640円
HlV 2,860円
抗精子抗体(精子の動きを止めてしまう物質の有無) 7,700円
流行性耳下腺炎抗体検査 6,800円
淋菌 3,370円
トリコモナスとマイコプラズマジェネタリウム 4,400円
免疫学的判断料 1,580円
微生物学的判断料 1,500円

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