不妊治療をお受けになる方へ

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不妊治療をお受けになる方へ(基礎知識)

当院で治療をお受けいただく皆様へ

当院は複数の医師で診察を行っています。

院長の意向にて多くの意見を聞けるよう担当医制にはしておりません。
医師希望、女医希望がある場合は予約時に必ず受付にお申し出ください。
しかし、状況により希望に添えない場合もありますことをご了承ください。
※ 医師担当日は こちらのページをご覧ください。

当院は予約制ではありますが、状況により1時間程度の待ち時間がある場合があります。

混雑時は2時間程度の待ち時間を要することもあります。
医師は丁寧な説明を心がけてはおりますが、混雑時にはどうしても早口になってしまうことがあります。
混雑時でも、不安なことやご質問はご遠慮なくお申し出ください。
ご質問等はあらかじめ、メモに取ってお持ち頂くとスムーズです。

治療の過程で、注射や採血は多くの場合で行います。

血管が細い方や体質等で処置後に採血部位や注射部位が腫れたり、血管/神経痛等の症状がおこる可能性があります。稀にその症状が数日~数か月続くことがあります。症状がありましたら診察にいらしていただくか、お電話でも対応致します。 採血結果(当院で測定できる項目):採血後1時間程度の時間がかかります。
(血液検査のある方は17:30までに来院していただきます。 それ以外の方は18:00までの来院となります。18:00以降の来院では採血を お受けできなくなる場合があります)

個人情報保護を原則としております。

検査や採血結果のお電話でのお答えは致しかねますので予めご了承ください。

お仕事を継続しながら治療に通う方もいらっしゃるかと思いますが、不妊治療では治療の性質上、翌日来院、時間帯指定での来院をお願いすることが多くなります。

妊娠するのにベストな選択をするよう心がけておりますので、ご理解頂きますようお願い致します。不妊治療は月経周期に基づく治療となりますので、曜日、時間帯限定での診察では受けられる治療に限りがありますことをご理解ください。

予約やその他お問い合わせは平日10:00~17:00にお電話して頂きますようお願いします(緊急時は除く)。

また、当院は男性不妊外来を併設しています(予約制)。
医師:小林 秀行
診察日:水曜日午後、土曜日午後のいずれかで月3回
男性不妊外来の予約変更・お問い合わせは上記診察日にお電話頂きますと対応が スムーズです。

看護師外来 心理カウンセリング外来 

看護師外来

体外受精コーディネーター、または不妊カウンセラー有資格者が行う外来です。体外受精、顕微授精の治療を希望する方は原則お受け頂き、治療内容を知って頂いたうえでの治療スタートになります。また、体外受精・顕微授精は複雑な治療法のため、ご夫婦で看護師外来を受けて頂くことをお勧めします。他院にて体外受精・顕微授精経験のある方もお受け頂きます。診察枠とは別の予約にて受け付けております。時間は1時間、料金は無料です。そのほか、治療に関して、相談したい、不安や疑問点などある方はどなたでも何度でもお受け頂くことが可能です。

心理カウンセリング

臨床心理カウンセラーが心理面でのサポートをします。料金は初回は無料で2回目以降は有料となります。基本的に予約制ですが、当日カウンセラーのスケジュールが空いていれば予約していなくても受けられます。受付にお声掛けください。

☆看護師外来と心理カウンセリングの違い
治療内容や今後のことに関しての相談は看護師外来を、心の葛藤や自分の整理できない気持ちなど、心理面でのご相談は心理カウンセリングをお勧めいたします。

キッズルーム

お子様連れの患者様は地下1Fのキッズルームを利用できます。 地下にはキッズルーム以外に一般の待合室もございますが、お子様連れの場合はキッズルームのみでの待合をお願い致します。

*キッズルームにはスタッフは常在しておりません。キッズルーム内での事故や トラブルに関しては当院では責任を負いかねます。

妊娠の成立とは

妊娠の成立とは※「赤ちゃんにあいたい ~不妊治療の基礎知識~」より抜粋

生理中に下垂体という場所からホルモンが分泌され、卵子を包んでいる袋=卵胞が育ちます。その卵胞が十分な大きさまで発育し、排卵します。
排卵した卵子は卵管采でキャッチされ卵管へと運ばれます。排卵期に性交渉をし、精子が腟から子宮内、卵管へと進んでいきます。卵管で精子と卵子が出会い、受精が起こります。受精卵は分割を繰り返し、子宮内膜へもぐりこみ、着床します。これが妊娠の成立です。

一般不妊検査

GIFT法やIVF-ET法などのARTを行なうに際しポイントとなることは、できる限り患者様に負担を掛けないことが大変重要なことなのです。その鍵を握っているところを簡単に説明してみましょう。

① 生理中のホルモン採血(基礎値といいます)
卵巣機能の検査、卵胞を育てる能力があるか診断します。生理2日目~5日目に行います。

  • 内容 E2(エストロゲン)…卵胞(卵子を包んでいる袋)が育ってくると出てくるホルモン。子宮内膜(受精卵が着床する場所)を厚くします。
  • LH(黄体化ホルモン)… 排卵を起こさせるホルモン
  • FSH(卵胞刺激ホルモン)… 卵胞を育てるホルモン

② 通水検査
生理6~9日目ごろ(生理の出血が終わった直後) 卵管(精子と卵子が出会い受精卵が分割する場所)の通過性を超音波で調べる検査です。子宮口から生理食塩水を注入して検査を行います。クラミジア抗体が陰性であることが確認された後に行います。未検査の方は採血で確認します。通水検査は午前中もしくは午後4時30分までの予約となります。(日・祝日・特殊外来日は予約できません)

通水検査で通過性が不明確な場合は次の周期の生理直後に卵管造影検査を行います。造影剤を子宮口から通し、卵管の通過性や子宮の形をレントゲンで観察する検査です。

クラミジア検査とは

クラミジアは性行為によって感染しますが、感染しても自覚症状がほとんどありません。このため知らないうちに感染、悪化し、卵管や卵巣の癒着を起こし、これが不妊原因となります。クラミジアにかかった状態で通水検査をしてしまうと卵管等に留まっていた菌を拡散してしまう危険性があります。このため、事前にチェックを行います。

③ 経腟超音波
子宮・卵巣の形態および卵胞発育を確認する検査です。
排卵日の予測をするため、生理8~10日目ごろから卵胞の大きさをチェックします。卵胞の大きさが16㎜程度を超えた大きさになったら血液検査でE2、LHの値を調べ排卵日を予測します。排卵時期の卵胞は16~20mm以上となり、卵胞1つあたりE2の値は200~300pg/mlが目安となります。

④ フーナーテスト
精子と子宮頸管粘液(おりもの)の状態をみる検査です。
排卵予測日に性交渉をしたのち、翌日来院し、頸管粘液(おりもの)を採取しておりものの中に動いている精子がどのくらいいるかを検査します。

頸管粘液(おりもの)とは

子宮の入り口である頸管から分泌されるもので、通常は腟内に雑菌等が入らないよう性状が固くなっています。排卵日近くなると、量が増え性状が柔らかくなり、精子が粘液中を泳いで子宮内に到達するのを助ける役割をしています。頚管粘液の分泌状態が悪い場合や、精子の進入が悪い場合などは人工授精が必要となる場合があります。

フーナーテストの結果が良くなかった原因としては精子が少ない、頸管粘性状の異常(おりものの量が少ない、粘稠度が高い等)などが考えられます。

フーナーテストは1回目が異常でも2回目は正常のこともありますので再検査を行います。
(人工受精、IVF・ICSIに関しては別紙参照)

*ご主人様にはあらかじめ3~4日の禁欲期間をもうけてもらいます。フーナー検査は性交後4時間~12時間後に行います。

⑤ 排卵後、高温期の検査
排卵日から約1週間後にプロゲステロン:P4(黄体ホルモン)値を採血します。

P4(プロゲステロン、黄体ホルモン)… 受精卵が着床しやすいように子宮内膜の環境を整えたり、妊娠を継続させるように働くホルモンです。また、基礎体温を上げる働きがあります。低温期の体温から0.3℃上昇していれば高温期と判断します。

⑥ 精液検査
検査時期は奥様の基礎体温が高温期に入ってから生理中の間(排卵に重ならない時期)で受けて頂きます。自宅で採取しご持参頂くか、来院し当院で採取してもらう形で検査を行います。 ご主人様は3~4日前より禁欲し、マスターベーションで専用容器に採取していただきます。(コンドームは使用しないようお願いします)持参の方は採取後3時間以内に当院へお持ちください。
検査には専用の容器がありますので、事前にお渡しいたします。結果は当日聞くこともできますし、後日聞くこともできます。当日検査結果を聞かれる場合は検体提出後1時間程度で結果は出ます。

以上6項目が基本の検査となります。これらを約1~2か月かけて検査を行っていきます。検査に優先順位はありませんので、できる検査から月経周期に合わせて随時行っていきます。

通院スケジュール(初回1ヶ月で)

生理中に1回、月経直後の通水検査で1回、排卵日予測のため卵胞期に1~3回、 排卵日(フーナーテスト)に1回、高温期のチェックで1回、精液検査で1回となります。
トータルで月7~8回程度の来院となります。

*他院で検査を行っている場合は省く検査もあります。

治療にあたって必要な検査

子宮頸がん検査
<血液検査>
PRL(プロラクチン:乳汁分泌ホルモン)
TES(テストステロン:男性ホルモン)
甲状腺ホルモン
ヘモグロビンA1c      (※)
風疹抗体価          (※)
クラミジア抗体
感染症一式
血液型(ABO、Rh式)

2022年4月以降の保険適応の状態で適宜変更の可能性があります。

*初診時に必要な採血としてクラミジア、感染症一式、風疹、ヘモグロビンA1c、血液型(ABO、Rh式)を行います。他院で行っている場合は省く項目もあります(自費)。

*ヘモグロビンA1cとは
過去1~2か月の平均血糖値を表します。高血糖が継続していると母児ともに影響が出る場合があります。

風疹に関して

風疹とは

風疹は飛沫感染にて風疹ウイルスがのどや粘膜について発症します。赤く小さな発疹が首から始まり、全身に広がる病気です。発熱を伴うことが多いですが、発熱がない場合もあります。症状は3日程度で落ち着く事が多いですが、軽い症状で済むのは子供だけです。大人が風疹にかかると子供よりも症状が重くなりがちです。更に、妊娠初期の妊婦が風疹にかかると胎児に影響を及ぼす可能性があります。

妊婦が風疹にかかると…

妊婦が風疹にかかるとお腹の赤ちゃんも風疹ウイルスに感染し、心臓、視覚、聴覚などに障害を残す可能性があります。具体的には心奇形、白内障、難聴などを発症する危険性があります。これらの症状が赤ちゃんに出た場合、必ずしも風疹だけが原因とは言えませんが、もしも妊娠初期に風疹にかかっていたなら大きく影響していると考えられます。

妊娠前に風疹抗体価のチェックを

風疹ワクチン接種の有無はご自身の母子手帳で確認できますが、子供の頃の接種の場合、抗体価が下がっている可能性もあります。
成人してから検査を受けた際の抗体価に関しては、検査期間や値によって、再検査をすすめられる可能性があります。

風疹抗体がなくワクチンを接種する場合は、必ず妊娠前に接種しましょう。

ワクチンは風疹ウイルスを弱めた生ワクチンですから、妊娠の可能性のある時期や妊娠してからでは接種できません。
ワクチン接種後は2カ月避妊期間となります。
当院では風疹抗体価の測定、ワクチンの接種も行っています。
大田区に住民票がある患者様は、助成対象となる場合があるので医師にご確認ください。
ご主人様も、希望があればお声掛けください。

一般不妊検査以降の治療は患者様によって異なり、あくまで以下の流れは一例です。 治療内容は医師またはご主人様とよくご相談ください。

不妊治療の種類

タイミング法

不妊治療では、さまざまな検査で不妊の原因を探りながら、基本的な治療から段階的に進めていきます。その初めの一歩が「タイミング療法」で、医師が経膣超音波で卵胞を測定したり、血液検査などで排卵時期を予測し、性交渉の時期をアドバイスするものです。この治療はおおよそ6周期をめどに行われます。

人工授精法

人工授精法とは精子を子宮内に直接注入し妊娠を期待する方法です。 この治療は6周期をめどとします。

適応
  • 排卵に問題がないこと
  • 卵管の通過性に問題ないこと
  • 精子の状態があまり良くない場合(極端に悪い場合は体外受精・顕微受精になります)
  • 射精障害、ED(勃起障害)などの機能障害がある場合
  • フーナーテストが良くない場合
方法

人工授精実施当日に精子を持参もしくは当院で採取して頂きます。
持参の場合は専用容器をお渡ししますので、その容器にマスターベーションで1回量を採取し、採取後3時間以内に当院へご持参ください。(コンドームは使用しないようお願いします)
院内採精の場合は採精室(2部屋あります)が空き次第順次ご案内します。 なお、男性不妊外来のある隔週水曜日の午前、第2、第4土曜日は混雑が予想されますので、お時間に余裕を持ってお越しください。 *人工授精の予約は基本的に午前中になります。

精子の洗浄

精子を培養液で洗浄し、その洗浄精液を濃縮し精子の状態を調整して子宮内に注入します。(洗浄濃縮法)

施行

精子を子宮内に入れるのは細いチューブで行います。子宮の屈曲などなければ、痛みは伴わないケースがほとんどです。内診室で処置を行い、数分で終了します。施行後多少の出血や下腹部痛、まれに腹膜炎等の感染症状が進行する場合がありますので、強い下腹部痛や発熱等の症状がありましたら当院へご連絡ください。施行後、当院では安静を特別設けておりませんので、すぐにご帰宅頂けます。
施行後は感染予防の目的で2日間抗生物質の内服と施行当日は湯船に浸からずシャワー浴のみして頂きます。性交渉は感染予防で当日のみお控えください。

人工授精i-wishママになりたい 「女性のカラダと卵子と不妊治療」 より抜粋

人工授精翌日以降の日常生活

特に日常生活上の制限はありませんが、施行当日は湯船に浸からずシャワーのみとし、性交渉は当日のみお控えください。

体外受精・顕微授精-胚移植

体外受精(顕微授精の流れ)i-wishママになりたい 「女性のカラダと卵子と不妊治療」 より抜粋

体外受精・顕微授精-胚移植とは
排卵期に卵巣から卵子を採取し、体外で受精させ、分割した受精卵(胚)を体内へ移植するのが体外受精-胚移植です。
卵子を体外へ取り出して受精させることで、卵子や受精卵(胚)の状態を把握できるのが、タイミング指導や人工授精と大きく異なる点です。

  • 体外受精:卵子に精子をふりかけ受精させる方法
  • 顕微授精:1匹の精子を、卵子へ直接注入し受精させる方法

体外受精の適応になるのは、タイミングや人工授精で妊娠に至らなかった場合、卵管の通過性や精液検査に問題がある(精子が少ないまたは無い等)場合などです。また加齢に伴い卵巣機能が低下するので、年齢を考慮し体外受精に進むケースもあります。

※当院で治療をお受けになる方はご夫婦ともに上記検査のほか感染症の採血が必要になります。
 体外受精・顕微授精は複雑な治療法になりますので、看護師外来(無料、1時間程度、予約必須)にて治療法に関して事前に説明を受けて頂いてからの治療スタートとなります。

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